派遣168日目医者にかかる


通勤用の大学のバスがいつもの時間(6時40分)に来ない。


10分ぐらい後に到着。いつものモザンビーク人の運転手Joseではなく、白人が運転していた。誰だよと思ったら学長のMr.Raulであった。


彼は自分の車を持っていないので、週末大学の車を使っていたのだろう。
乗ってみて運転が荒いことに気づく。ぼこぼこの道でも結構スピードを出すので。
あまり道の癖を知らないというのもあり、ものすごいくぼみに入ったりもしていた。


配属先の運転手が気を使っていることに初めて気づかされる。


着いて、すぐ病院に行きたかったものの、Mr.Walterから声がかかる。金曜日に言い忘れたことがあると。何だと尋ねたら、月曜日にPBLが出来なかった分を今日やるとのこと。かわりにレクチャーはなし。しかも、時間の関係で3クラスあるのを、2クラスにまとめてやるとのこと。この科目のPBLの担当者は自分とチューターのVarelio。


責任者のMr.Walterを加えれば3人になるので3クラスのままできるのに、なぜかそういう運用にはならなかった。しかも学生に配る資料の印刷もしていない。文句を言う時間すらなかったので、自分が印刷及びクラスの分け方および学生への説明を行った。


自分が混乱している以上に学生が混乱していた。PBLセッションの前後で一部の学生からクレームがあった。3クラス中の1クラスを二つにわけたので分けられたグループの学生はどこへいっていいのかも把握できずにいた。PBLが行われる教室と講義が行われる教室は違うので、PBLと知らず遅刻してきた学生も結構いた。その混乱を示すかのようにPBL中の議論も低調なまま終わった。


この日は評価をつけるのをやめた。学生が救われないと思ったので。


行き当たりばったりは百歩譲っていいとしても、Mr.Walterが自分から混乱を収拾することなくオフィスにいたのが信じられなかった。



結局病院に行くために学校を抜けれたのはPBLのセッションが終わった後だった。


ペンバ市内には病院がいくつかあって、JICAモザンビーク事務所がお勧めしているのは以下の二つ。

  • Hospital Privincial de Pemba(ペンバ州立病院)
  • Clinica Cabo Delgado(カボデルガド診療所)

カボデルガド診療所は月〜金までで土日祝日は休み。州立病院は24時間やっているものの、夜間や土日祝日は医師ではなく医療技師と呼ばれる人が対応しているケースが多い。昨日行かなかったのはまとまな診断がされないと思ったのと、家から遠く移動手段がなかったため(自転車をこぐほどの体力はない)。


健康管理員のKさんのお勧めもあり、カボデルガド診療所へ行った。もちろん、モザンビークで病院に行くのははじめて。おそるおそる入る。受付の雰囲気は日本の診療所に似ていた。受付があり、ソファで患者が診察を待っていた。エアコンが利いているおかげで室内は涼しい。


受付では以下のことを聞かれた。

  • 名前
  • 住所
  • 年齢
  • 国籍
  • 職業


その後、10分後に部屋に通される。そこで診療ではなく医療技師っぽい人(おそらくモザンビーク人)がいろいろと簡単な検査を行った。

  • 検温
  • 血圧測定
  • 体重測定

その後に、診療室に通される。医師は外見から判断するに40代の東南アジア系の女性であった。安心する。なぜならモザンビーク人ではなかったから。


部屋には机の他、診察用のベットがあった。机の上もカルテ以外には何もなくいたってシンプルな部屋だった。

症状を説明した後、触診をしてもらった。


診察の結果はGastrites(胃炎)とのこと。処方箋をもらった。診察料は400MT(1600〜2000円)。


日本とは違い薬局と病院はそれぞれ独立しているので、市内の中心にある薬局で薬を購入。薬局ではモザンビーク人の薬剤師が一人で10人くらいいる購入者を捌いていた。10分くらい待って購入できた。値段は合わせて187MT(748〜935円)。彼がいなくなったらこの薬局はどうなるのだろうかと若干不安がよぎる。



また食事についてアドバイスを受ける。

  • 食べてはいけないもの
    • パン
    • アルコール類
    • 清涼飲料水
    • コーヒー
  • 食べてよいもの
    • 鳥の焼いたもの
    • 魚の焼いたもの
    • 牛乳
    • 野菜
    • 果物


1週間くらいはフルーツでしのぐことになりそう。とりあえず、胃潰瘍とかでなくてよかった。


手術や療養でいろいろと出来なくなるのは厳しい。ただ手術があった場合に南アフリカに行けるのは少しおいしいかも。


あと、普段使っていないポルトガル語で症状を説明できたのが意外であった。これは医師の女性が分かりやすい言葉をチョイスしてくれたのが大きいと思う。おそらく医師として小さい子どもや大人でも現地語でしかしゃべれない人など、ポルトガル語が不得意な人と普段接しているからだろう。



異国で心配だった医師にかかるということをできたのは貴重な経験だった。言葉をそれほど知らなくても何とかなってしまうことが分かったのが一番の収穫。