派遣251日目想像でアプリケーションを作るな

朝、担当科目のPC Hardware & Softwareの最終試験を行った後学生MayerとEtelvinaの卒業課題として作成したアプリケーションを見る。


Mayerが作成したアプリケーションは建設会社の費用を管理するというもの。


日本だと建設会社の会計処理は普通の会社とは違っていて、別の管理の仕方が必要になる(詳細は知らない)。建設会社に限らず、費用を管理するうえで日付と言うのは重要な概念なのだけれども、彼のアプリケーションではユーザーに日付の入力を許可していなかった。複数日に渡る伝票を後の日にまとめて記入するということは普通に想定しうるケースなので、それをサポートしていないのはモザンビークの建設会社の業務を知らない自分の目からみても異様だった。異様云々の前に運用に耐えられないので作り直しを指示する。


相談中彼に、「想像だけでアプリケーションを作るな」と言った。この一言彼よりも自分自身に対して重く響く。日本でソフトウェア開発を行う中で色々と反省すべき点があったので。



Etelvinaの作成したアプリケーションはバーの業務を管理するというもの。バーの売上を管理するものっぽいけれども、彼女の説明を聞いてもよくわからなかった。


結局のところバーの業務や運営について分析が出来ていない。分析の不完全さ(というよりも分析していない)が実装をもダメにしている典型例だった。アプリケーションの機能も中途半端。最終提出まで時間がないので、もう少しまともな分析をして、アプリケーションについては扱う商品のCRUD(登録、閲覧、修正、削除)だけでも完璧に実装して、残りの他の機能はfuture workとして論文に掲載するよう指示する。




午後、調整員のTさんと健康管理員のOさんがマプトのJICAモザンビーク事務所から来ペンバ。ペンバの医療機関の情報の更新と自分を含むボランティアが傷病の際のケアのお願い、そして来年から派遣予定の隊員の配属先への住居手配などの依頼が今回の目的。裏の目的として北部に一人だけ配属されていて普段日本人と接することのない自分への激励の意味もある。


自分の配属先の管理部門のMr.Jordaoに軽く挨拶を行った後、ペンバ市内にあるクリニカ・カボデルガドという病院へ行く。以前胃炎の症状が出たときは診察室と受付しか入ってなかったけれども、今回は病床やラボ等、他の部屋も見せてもらうことができた。


Oさんは責任者の女性医師に自分たちボランティアが病気になったときはよろしく的な話とマラリアの薬の在庫状況やや治療法について質問していた。医療情報が確認できた以上に英語が通じることに安心感を覚える。Oさんと女性医師の英語での会話をほぼ100%理解することが出来た。分からなかったのは破傷風ワクチンの略語くらい。ポルトガル語で医療専門用語を覚える気にならないので大変助かる。



その後、3人で昼食および夕食をとる。もちろん二人のおごりだった。ごちそうさまです。


余談として、クリニカ・カボデルガドの女性医師は州立病院でも働いているとのこと。おそらく州立病院の給料だけでは彼女らの持っているスキルに比べて対価が安すぎるのだろう。