派遣438日目金策

金策

部屋でくつろいでいたら、ドアをノックする音がした。自分の家に訪れる人はモザンビーク人、日本人含め基本的にいない。誰かと思ったら、全く見知らぬ黒人であった。


彼は自宅から徒歩5分程度歩いたところにある小学校の責任者と名乗った。初対面だし、そもそも小学校の敷地内には入ったことすらない。小学校へのヘルプの要請かと思ったら、借金の申し込みだった。月曜日、首都マプトから給料が支給されるけれども、今全く金がないので150MT(約450円)貸してくれとのこと。2人の息子/娘が何も食べてないという余計な情報まで教えてくれた。


自分は金が貸せないと最初から主張した。彼の方は誓約書も書くし、月曜日に必ず返すからということを言ってくる。そもそも、そんな律儀で計画的な考え方が出来るのであれば、今回のような事態には陥っていないはず。少し妥協して、食料を分けることはできるというと、金でなければ困ると返答してきた。その返答で自分の中の何かがキレる。食べ物がなくて困っているんじゃないのという単純な疑問が怒りへと変わっていく。今までにない強めの口調で無理と言うと、ようやくあきらめてくれた。



見ず知らずの外国人に金を借りるという神経が異常すぎる。日本人が米軍住宅に行って、軍人である主人に家の周りで迷惑をかけている暴走族をしめてくれと言うのと同じくらいありえない。


同情的な目線で見れば、そこまでさせるくらい追いつめられるような給料しかもらっていないのかもしれない。


余談として、別のイラつきポイントとして、椅子に座って話そうと言いだしたこと。自分が言うならともかく、初対面のお前が言うことかと強い憤りを感じたのは言うまでもない。