派遣106日目モザンビーク島


朝6時に宿を出る。


宿のオーナーからもう一泊しないのかと言われたものの、他の宿を試してみたかったので断った。


断った他の理由としてはCasa de banho(浴室兼トイレ)がそれほどきれいではないので、入る気にはなれなかったこと。

ドミトリータイプの部屋を200MT(800〜1000円)で使っていいとも言われたが、笑顔でかわす。



朝の街を歩く。インド洋に向かう島の東側にある海岸では地元の島民が浜辺で大をしていた。

写真を撮ってみたいと思ったものの、人間の尊厳を傷つけるような気がしたのであえて撮っていない。


島の中心まで戻ると、一人のモザンビーク人青年が声をかけてきた。


ガイドで、島めぐりをしてみないかとのこと。モザンビーク島のまわりにはいくつか小さな島があり、帆船やモーターボートでまわることができる。


ゴア島という島まで行きたかったので値段を確認してみると700MT(2800〜3500円)とのこと。昨日他のガイドに聞いても同じ値段だったので行くことにした。


その前に、何も食べてなかったので腹ごしらえ、パン三つとコカコーラというシンプルな食事。焼き立てでおいしかったものの、パン二つ目で満腹に。残りはそこら辺を歩いていた子どもにお裾分けしておいた。


裸足になって浜辺に浮いている舟に乗船。サンダルを持ってきていないことを後悔。靴下を脱いだりする手間が面倒。そして岩が多いので足が痛い。


ゴア島までは30分ほど。舟が風だけでこんなにも早く進むことが印象的だった。


相対論で有名な物理学者アインシュタインが好きだった乗り物はヨットだったというのは有名な話。


その理由は風だけで動くというシンプルな乗り物だからということ。実際に乗ってみてその気持ちが分かったような気がする。


ゴア島に近づくにつれて海の透明度が増していく。浜辺の水の色はマリンブルーでもなく透明そのものだった。


そして砂浜は白そのもの。石や海藻そして人の足跡がないのでさらにきれい。プールの中に人工の島を作ったという表現をしてもおかしくないくらい。


世の中にこんな美しい場所があるんだなという素直な感動が湧き上がった。


ガイドの青年とともに島の丘にある灯台跡に行く。灯台に上るだけで100MT(400〜500円)払う必要があったのは釈然としなかったものの、眺めはよかった。

ヴァスコ・ダ・ガマの時代に建てられて...ということをポルトガル語で説明してくれた(細部までは分からない)。



病院、美術館、モスクなど有名どこをまわっている途中で怖れていた事態が起こってしまった。


腹痛である。


歩き回るものの、公衆トイレはない。適当な食堂やレストランもないので冷たい汗が出てきた。


モザンビークのトイレはいわゆる洋式トイレ。しかしながら便座がないところが多い。


モザンビーク人は便座がない状態のトイレにそのまま座る。


自分の場合、一線を引いてそのようなトイレでは大をしないように決めているので使うトイレが限られる。ペンバにいる際は家のトイレ以外使わないようにしている。


昨日、探した宿の中に便座のあるトイレがあるところがあったので、そこにチェックイン。


一応難はのがれた。しかしながら、共同の洗面台は水漏れがする、蚊帳はないなど結構痛い宿。最悪だったのは宿の中に見知らぬモザンビーク人が入ってきたこと。


部屋で休んでいると宿の管理人から、自分の友人が外で待っていると言われたので行ってみたら彼がいた。


この島に来た外国人は200MT(800〜1000円)を払う必要があるとわけのわからないこと言ってきたので、払う理由はないと言って一旦宿の自分の部屋に入った。しかし、自分の部屋の前で立っている。去るように言っても、立ち去る気配がない。


このどうしようもないモザンビーク人に腹が立ったのはもちろんのこと、設備がしょっぱいのはまだいいとしても、客以外の人間を平気で宿の中に入れて心理的に不安にさせるということが許しがたかった。1泊分の料金を払って(捨てて)出ていくことにした。


反動からきれいな宿がいいと思い、一泊1000MT(4000〜5000円)のおしゃれなペンションに泊まった。


シングルでよかったものの、部屋の中はダブルベッド+シングルベッド×2という構成だった。もちろん蚊帳つき。


今回の旅行を計画していたときは、寝るだけだから安宿で十分と思っていた。しかしいざ安宿に泊まると設備のしょぼさから自分がみじめな気分になることがよく分かった。バカンスで来ているのに窮屈な思いをわざわざする必要はない。


ペンションに併設されているレストランでお食事。値段は300MT(1200〜1500円)からとお高め。
数ある料理のなかでも割安の鳥のグリルを頼んだ。


フランス人がオーナーということもあって、ソースが凝っている。鳥を焼いたものはモザンビークでは普通に食べれるけれども、だいたい塩焼きで単調な味。良く言えば素材そのものの味を楽しむことができる。


フランス料理でソースにこだわる理由が少しだけわかったような気がした。



お湯が出る(!!)シャワーを浴びてこの日は就寝。明日はナンプラへ戻る日。