路上検問で警察に拘束(Accindent in Nampula/Acidente em Nampula)


モザンビーク島〜ナンプラ行きのシャパを降りたときからこの事件は始まる。


シャパを降りた直後、警官にパスポートを提示するよう要求される。


いつもの通り、DIRE(外交目的で滞在している人が持っている身分証明書)を見せたものの、
とりあってくれない。


DIREを持っていれば、モザンビーク国内の移動については問題ない。日本大使館やJICAモザンビーク事務所からもそのように指導されているし、実際に外務省やマプトの警察署でも問題ないことを確認している。


パスポートの代わりにこれを持っていると何度も説明。しかし警官はオリジナルのパスポートはどこだの一点張り。



パスポートは首都マプトに置いていて、盗難防止のためと説明したものの同様にとりあってくれない。


仕方がないので、パスポートのコピーを見せることにした。しかしながら、これが問題をこじらせる原因となった。


DIREを見せた時と同様に、オリジナルはどこだの一点張り。ちょっと経った後、コピーにあったビザの有効期限が切れていると警官から指摘される。


モザンビークに入国してから、90日分しかないのに気がつかなかった(新しいビザはすでにJICA事務所側で申請されている)。


新しいビザはすでにマプトで支給されていると説明するものの、とりあってくれない。


自分では説明ができないと思ったので、ボランティア調整員のYさんに電話。警官と直接話をしてもらった。


バスステーションは電波の状態が悪く、何度も通話が途切れる。そのたびに警官のわれわれに対する印象が悪くなっているような気がした。


何度か電話をしてもらった後、分かったのはやはりビザがネックになっているとのこと



調整員のTさんから、新しいビザのコピーを送るのでファックスの受け取れる場所に行ってほしいといわれた。


しかしながら、0.5秒くらい考えた後、次の2つの疑問が頭をよぎった。

  • ファックスを受け取れる場所があるのかどうか
  • この状況でファックスを受け取れる場所に行くことができるのか


2つ目の疑問は置いておくとして、とりあえずファックスがありそうな場所の候補として配属先のUCMのナンプラ校(自分が所属しているのはペンバ校)を挙げておいた。


UCMナンプラ校のファックスの番号をUCMペンバ校のスタッフに電話で確認しようとした矢先、
Yさんから電話が入った。

要件としては

  • UCMナンプラ校のファックスの番号はJICA事務所側で調査
  • UCMナンプラ校のスタッフにバスステーションまで届けてもらえるよう交渉

するので、なるべくそこから動かないように指示をされた。


さらに

  • 日本大使館経由でモザンビーク外務省からナンプラの警察に解放してもらえるよう連絡
  • 首都マプトにある外交団向けの警察からもナンプラの警察に連絡してもらえるよう交渉

するとのこと。

自分の思った以上に大ごとになっていた。


自分の旅行先でのトラブルでの尻拭いのために、多くの人が動いていることに申し訳なさを感じた。


バスステーションで待つものの、ビザのコピーがこない。



そう思っていたらTさんから再度電話があった。UCMナンプラ校のファックスが動いていないとのこと。


ビザのコピーをスキャナしてPDFファイルにして電子メールでUCMナンプラ校のスタッフに送り、プリントアウトしたものを届けてもらうので、もうしばらく待ってほしいと言われた。


ファックスが動いていなかったのはあまり驚かなかったものの、スキャナしたものを電子メールで送るというアイデアはトリッキー。自分では決して思いつかなかった。


ビザのコピーをいつまでも待っていられない(というか最初から待っていない)ということで警察署に連行される。さすがにこれには焦った。帰れないということよりも、荷物や携帯電話が一時的に没収されて悪徳警官にいろいろと盗られたり、壊されたりするのがいやだった。


警察署まで20分くらい歩く。


向かう途中外交団向の警察から電話があったものの、ついてきた警官が自分がDIREを持っていないと嘘をつく。あわてて弁明するも、事実の確認のしようのない外交団向けの警察にとってはどうしようもない。このラインでの救済措置は途絶えた。


大通り沿いではなく、集落の中に警察署はあった。


中に着くと自分を連行した警官の上司の警官からビザの期限が切れていると再度説明される。自分を拘束してきた警官から新しいパスポートが届くまで牢屋に入る必要があるといわれる。


このとき、大使館の領事のYさんから電話がかかってきた。解放してもらえるよう大使館側で交渉してくれるとのこと。さらに上の地位の警官につないでもらい、事情を説明してもらった。


また、モザンビークの外務省からもナンプラの警察に連絡が入り、自分を解放するよう要求してくれたらしい。


さらにUCMペンバ校の情報学部長のMr.Nephasと教頭のMr.Valerioから連絡が入った。どちらも自分を激励する電話だった。UCMが自分をサポートしてくれているという事実がとてもうれしかった。


大使館のYさんから解放されたので警察署から出てもいい旨の連絡がきた。しかしながら、警官に尋ねると解放されるのはイミグレーションに行ってからと言ってきた。


イミグレーションに行こうとしたときにちょうど、UCMのスタッフMs.Elisabeteが到着。
自分の新しいビザのコピーを持ってきてくれた。


これで解放と思ったものの、どちらにしろイミグレーションに行く必要はあるとのこと。


Ms.Elisabeteから大使館のYさんおよびローカルスタッフのVさんに経緯を説明してもらった。


Ms.Elisabeteの車でイミグレーションに行き、事情を説明。30分ほど待った後、イミグレーションの責任者っぽい人から謝罪された。


本当にこれで解放。拘束されたのが朝8時半で解放されたのが13時半。本当に長かった。実際の時間以上に長かった。


Ms.Elisabeteに言える限りの最大限のお礼を述べて、ようやく単独行動に戻れた。。



何とか解放されたからよかったものの

  • 携帯の電池がきれていたら、
  • 携帯のクレジットがなかったら、
  • UCMがナンプラになかったら、
  • UCMのネットがダウンしていたら、

と考えると本当にぞっとする。



モザンビーク日本大使館、JICAモザンビーク事務所およびUCMナンプラ校、ペンバ校のスタッフの皆さん、本当にご迷惑をおかけしました。そして本当にありがとうございました。



あなたがたの力がなければこの文章を書けてなかったかもしれません。