派遣241日目同じテストは作れない

情報学部内で会議を行う。


今週から新たに赴任した講師Mr.Filipeに現在自分とMr.Mafoloが受け持っている学生の論文について一部受け持ってもらうことになった。13人分から10人分になっただけだが、丸1〜2日分ぐらいは違ってくる。


教頭のMr.Valerioから自分の受け持っている科目の試験時間を昼と夜で分けるよう指示があった。前回の中間試験は昼の部と夜の部合同で17時半から19時半に行っている。これに反発したのが夜間コースのない第2学年(夜間コースが始まったのは今年度からのため)。普段と違い終わる時間が遅いので、強盗等に襲われた場合どう責任をとってくれるのだと教頭にいちゃもんをつけてきたらしい。


この点について、きちんと反論できる材料がない。安全面の議論は別にして、科目の運営上で試験時間を二つに分けるデメリットは以下の通り、

  1. 全く同じ難易度の試験を作ることは不可能
  2. 問題自体は異なったとしても問題形式は似通らざるをえないので後から行うグループに有利になる 
  3. 2つ問題を作るのが面倒

当然個人的には最後の理由が一番大きい。ただ、同じ難易度の試験を作成することの難しさは大学入試センター試験や簿記の試験、TOEICがよく教えてくれる。問題作成のプロが集まり、受検者のデータの蓄積もある試験についてもばらつきは避けられないので、自分のような素人が作成する場合はなおさら試験間の差を埋めることは難しい。もし、平均点に差がつきすぎたら、差が出たのは問題のせいだと言いだす学生もいるだろう。そしてその対応をするのももちろん自分しかいない。


自分の印象として、教頭のMr.Valerioは学生の無茶なリクエストに振り回されすぎ。教頭が毅然とした態度でこれでやるんだ的な、問答無用の態度を学生に示していれば、こんな面倒なことをしなくて済んだはず。前学部長のMr.Nephasがいれば、この辺のところをきっちり処理してくれた(学生および教頭のリクエストを押さえてくれた)と思う。


この仕事が減りそうでなかなか減らない感を日本だけでなく、モザンビークで味わうとは思わなかった。




書籍化そして映画化される「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺(おれ)は限界かもしれない」のスレッドをネットで読む。


このスレッドはいじめにより中卒にならざるを得なかったNEETの青年がサービス残業当たり前、理不尽な上司のいるソフトウェア企業で働く中でのエピソードを紹介していく話。


この手のブラック企業と言われる企業はソフトウェア関連業界では珍しくない。スレッド主は最終的に覚悟を決めて、その会社で働き続ける。会社側を変える方向に考えが回らない仕組みになっているところが、この業界の限界をよく示している。もともと、サービス残業を込みのスケジュールで発注がなされるし、それに反発したらそもそも仕事をとることができない。スレッド主が労働組合のない、零細企業に勤めているという事情はあるが、たとえ富士通や日立のような労働組合のある大企業に勤めていたとしても程度の差はあれハマっていると思う。


あと、外部に問題があった場合、変化を外側(会社側)ではなく、内側(自分側)に向けるしかないのは自分らの世代の特徴を反映した話だと思う。自分も政党だったり、会社だったり、学校といった自分をとりまく団体を基本的に信用していない。労働組合に関して言えば、基本的に経営側と同調路線をとる日本の労働組合が企業の労働環境を変えるほどの力はないし、ましてや自分が労働組合を結成したり加入して、労働組合の方向性を転換、発言力の強化等何とかしようというはもっとありえないこと。いい意味でも、悪い意味でもあきらめのいい世代だと思う。


結局何が言いたいかというと、60年代安保闘争のときには絶対はやらない話だろうということ。