派遣242日目仏蘭西人と


朝から電気が止まる。


来週水曜日までに学生の論文にコメントを付ける作業を終わらせないといけないので、論文を何本か持ちかえっていた。読むのはいいとして、扇風機が使えない状態だと家の中ではとても暑くてかなわない。外に椅子を出して、時折くる風にあたりながら学生の論文を読む。



夜、自分の家をノックする音が。見たことあるようなないような顔だと思ったら、自分と同じ教員用住居に住んでいる非モザンビーク人だった。何人かと思いきやフランス人。いろいろな国から人が来ているので、何人がいても驚かないけれども、フランス人に会うのは初めて。


用件は食事へのお誘いであった。論文を読むのに飽きていたので、誘いに乗ることにした。


自分よりも若いと思われる男女2人のフランス人とともに、タクシーで最高級ホテルペンバビーチホテルに付属しているレストランCLUBE NAVALに行く。


二人のうち一人は男性で今月から派遣されている24歳のフランス人男性。もう一人はモザンビークにすでに1年以上いる25歳のフランス人女性。ただし日本人がフランス人と聞いてイメージするような白人ではなかった。おそらくサッカー選手のジダンと同じように、アフリカ系の血が入ったフランス人だと思われ。


彼らもJICAのJOCV(青年海外協力隊)と同様にある援助団体から派遣されているとのこと。JOCVと違うのは1年ごとに国内での任地と配属先が変わるらしい。他に違うところはポルトガル語のトレーニングなしで派遣されていること。男性フランス人の方は全く、ポルトガル語が分からない様子で自分を含めた他の二人に単語等を聞いてきた。


何故、自分を誘ってきたのか分からなかったけれども、どうもインターネットに接続するのにどうしたらよいのかについての相談だった。おそらく、彼は自分が大学で情報学を教えている&英語を話せるという情報をどこからか仕入れて、相談したいと思ったのだろう。でなければ、よくわからない東洋人を誘ったりはしない。大人になると立場を踏まえないの付き合いなど、希有だと思っているので特に何とも思わない。むしろ目的がなく誘ってくる方が不気味である。


とりあえず、モザンビークで有名なインターネット接続サービスを提供している会社(TDMとTeledata)を紹介して、他の隊員から聞いていた一般的な開通までのフローを話しておいた。


割り勘と思いきや、今回は彼ら側から誘ってきたのでお代はいいと言ってくれた。自分が一番高いメニューを注文していたので若干悪いなと思いつつも、払ってくれてラッキー。ここらへんに関するプライドはおそろしく低いので何も気にならない。


食事中、彼らの会話が全く分からなかった。公用語がフランス語のマダガスカルへの任国外旅行への不安が募る。大学時代にフランス語を履修しているにも関わらず!!。未知の言語にしか聞こえない。英語が公用語の国(マラウイザンビア等)から、公用語ポルトガル語モザンビークに任国外旅行で来てしまう隊員が若干すごいなと思った。もちろん無謀という意味で。