派遣255日目泣かないで

昨日に引き続き、最終テストの採点を進める。中間試験はアサインメントと練習問題から出していたので、学生は最終試験についても同じ形式だろうと思っていたのだろうか。アサインメントにも練習問題にもない問題については全くできていなかった。言葉は悪いがカマをかけてみたら、見事に引っかかってくれた。



学生Firminoが自分のオフィスにきて卒業論文を渡してきた。早速チェックしようと思うと以前とタイトルが違っていた。ざっと中身をみるとタイトルの変更だけではなく、テーマ自体変更されていた。


なんと言っていいか分からず混乱した。2分ほど沈黙したあと、何故テーマが違うのか尋ねてみた。彼の話によると今までのテーマをどう直して良いのか分からなかったので、テーマを変更したと言ってくる。テーマを変更した以前に前回の彼との話し合いから1週間も経ていないのに70〜80ページ近く書き終えていたのがかなり怪しかった。そのあたりのことを含めて受け取れないというと、「Teacher頼む」の一点張り。しつこかったのでコピーしたんだろ的なことを言いはじめるとそんなことはないと訴えてくる。


さらに自分が思っていたことを彼に一つずつぶつけていくと彼に変化が訪れた。泣きはじめたのである。泣きながら「頼む」を連発すると同時に、自分の中で怒りが増してくるのがわかった。このままでは冷静に判断できないと思い、午後また自分のところに来るように言って返す。


午後、Firminoが来たときには今日出してきたものは受け取れないので、今までのテーマのままで中身を改良してくるよう指示した。午前話し合いを続けていたら変更してきたものを受け取っていたかもしれないので、後で来るように言っておいて正解だった。



余談として、自分は泣くとか怒るとかいうテンション高めの行動に弱い。その代わり、他人の話を受け流すことに関しては天才的な才能がある。自分だけではなく、自分と同じタイプの人間は同様に感情むき出しの行動に弱く、それに屈服してしまう傾向がある。二本松訓練所(NTC)で一緒だったウガンダ派遣のYさんは数少ない自分と同じタイプと判明した一人。彼女が好きな男性は、恥をしのびテンションを高くして土下座する勢いでお願いすれば、彼女とつきあえる可能性は高いだろう。