派遣265日目来年度について話し合い


外で昼食を終えて配属先の大学へ帰るときに学生Ismaelに声をかけられる。


卒業論文の点数に不満があるとのこと。彼のテーマはCMS(Contents Management System)の作成。彼の論文に点数はつけていないのでどこがどう悪かったのかは具体的に言う事はできなかった。アプリケーションを見る限り、特に目新しいところはなく、ZOPEなどのメジャーなCMSをショボく焼き直した感じだった。ユーザビリティとデザインというWebアプリケーションにとって大事なところがおろそかになっていたのがショボく見えてしまった原因。あとは何を作成しただけではなく、どう作成していったかも大事なところなので、そこが論文の中できちんと書けていなかったのではないかと伝えた。


しかしIsmaelは何とかならないかと言ってくる。逆に何でそんなに点数に拘っているのかと聞いたら、修士のコースに入学するには一定以上の点数が必要だかららしい。その情報は初耳だった。しかし、すでに成績は決定済で再採点などありえない。修士のコースの入学については学長(Dean)に相談しなさいと言って、彼と別れた。

彼と話していて、卒業後の進路に向けて学生が動いていることにようやくながら気づく。



夕方、学長から呼び出されて、彼と話し合いを行った。内容は来年度のカリキュラムについて。

  • 来年度の学生から4年から3年半のコースに変更
  • 1ターム10週から9週に変更
  • 専門科目は1タームにつき1科目受講から2科目受講に変更
  • 上記に伴って新規の科目が増加

ということで、来年度の科目について、全体の目標と1週ごとに内容と目的について準備してほしいと言われた。どのコースもやれなくもないけれども、Mathmatics of IT など中学校卒業程度の学生がどの程度、数学の能力があるのか分からない中で9週分のコースを考えるのは結構は厳しい。そもそもITに使う数学って2進数とか10進数ぐらいの話題だけで終わるんじゃないの、と思っていたら、準備する科目についてはこちらに選択させてくれた。Javaとかデータベースとか日本でそれなりに勉強していたものに関係する科目を選択しておいた。


余談として、情報工学と数学は相性がいい科目。例えば、正規表現ではオートマトン、計算量とかの話でいえば対数の理解は欠かせない。対数はいいとして、オートマトンとかを今更思い出して、学生に教えるまでのレベルに持っていくのは骨が折れる。というか多分無理。数式とかの英語での表現は未だによく分からないし、慣れそうにないので。