派遣266日目Bachelorコース卒業制作プレゼンテーション

今日はBachelorのコースの学生の卒業制作の発表が行われた。


Bachelorは日本では学士のことをいうけれども、モザンビークではLicenciaturaがそれに相当する。先週行われたDefenseはLicenciaturaの学生が対象であった。モザンビークも他の発展途上国と同様に学歴社会なので、Licenciaturaを持っている人間の方が給料が高い。


それを示すかのようにBachelorは4年間のコースではなく3年間のみのコースとなっている。


Bachelorのコースの卒業制作は

  • 3ヶ月間(Licenciaturaは6ヶ月間)
  • 3人一グループ(Licenciaturaはグループを組む/組まないは任意)

という決まりで行われる。


最初、担当ではなかったけれども、学生がどういうものを作ってくるのかは興味があったところなのでプレゼンテーションの評価担当に加わることにした。


すべてのグループがPHP+MySQL+Apacheを利用したWebアプリケーションを作成してきた。期間が短いわりにLicenciaturaの学生のように下手にJava Swingで作ったアプリケーションよりも完成度が高い。

  • Java Swing+MySQLよりもPHP+MySQL+Apacheの方が世の中にノウハウが出回っている
  • 対象とする業務のドメインが狭いのでそれほど複雑なことを考えずに済む
  • 3人一グループなので一人で6ヶ月やるよりも工数がある(9人月>6人月)

というところが原因か。


発表終了後、Mr.Walterから論文の方の評価もしてくれないかと頼まれる。もともとのBachelorの卒業論文の担当はMedoncaという講師。しかし、彼は仕事をしないことで通っている。実際、今日の発表にも姿を見せなかった。このままだと、学生が不利益を被るだけなので引き受けることにした。来週の休みまで仕事が見事に途切れない。


それに加えて、明日行われる、Fundamental of Information Technologiesという科目の再試験を作成、プリントアウトを行った。


この科目は前学部長のMr.Nephasが担当していた科目で、日本で言うと基本情報技術者試験(旧第二種情報技術者試験)の午前問題の範囲に該当する内容を扱う。


いくら理解している内容とはいえ、同レベルの試験を英語で一から作成するのは厳しい。何せMr.Nephasが講義で使用していたスライド等や練習問題等の情報はなく、あったのは前回の試験のみだったので。


仕方が無いので、問題の半分は同じものを使用して、もう半分は問い方を変えたり、似たような内容の問題を作った。さすがに同じ問題が半分であれば、学生も前回よりは言い点数がとれるだろうという目論見もある。


作り終えたところで、何人の学生が再試験を受けるか分からなかった。再試験対象の学生のリストを持っていそうな学部長のMr.Mafoloは出張で、教頭のMr.Valerioは休暇中でいない。もともとの学生の8割型の人数に当たる40人分のテストをプリントアウト、ホチキス止めをした。分からなかったら過剰にやっておくという鉄則でやっておいたものの、いつもの通りホチキス止めで時間がかかるのはせつない。



余談として、Java SwingアプリケーションはNetBeans等のGUIデザインツールを使ってコンポーネントを自由に配置できるのに対して、WebアプリケーションははデザインするのにHTMLでコーディングする必要がある。しかし、GUIデザインツールはその自由さからデザインがゴテゴテしがち。それに対してHTMLはデザインに不自由さがあるからこそ、デザインを締まったものにさせる。この現象は何かに似ているかなと思ったけれども、それが何に似ているかについては思い出せない。