派遣279日目ベイラ

市内散策

朝、散歩をする。第二の都市とはいえ、マプトほど高層建築が立ち並んでいない。とはいえ、第三の都市コンパクトシティナンプラよりは広い。街の印象以上に北部の各都市(ベイラは中部に位置づけられる)並みに暑いことが気になった。


隊員宅へ

ベイラ隊員のIさんが旅行から帰ってきたのでホテルまで来てもらい、今日の宿泊先となる彼女の家まで一緒に移動する。家は市内の中心からは外れたところにある。移動手段はミニバス(シャパ)。ベイラはモザンビーク第二の都市とはいえ、少し外れると道路の舗装が悪くなる。またマプトほど車も多くない。首都マプトだけが異常に発展していることを改めて実感する。


家は隊員3人で住んでいることもあり広い。当然のことながら、一人一人の個室があり、リビングも広い。トイレが3つ。シャワーが2つもある。そしてものが多い。日本の炊飯器があったのには驚いた。


座礁

ベイラ名物といわれている座礁船を見に行く。その名の通り、砂浜に船が打ち上げられている。外見はものすごくサビだらけで船首ぐらいしか今は残っていない。しかしながら、それがものすごく味がある感じになっている。


この船は年々流されているらしく、そのうち跡形もなくなるとのこと。次もし来るとしたらもっと違った感じになっていることだろう。


病院&隊員配属先見学

Iさんはじめ医療系の隊員が配属されている医療従事者学校と州立病院を見学する。我が任地ペンバにあるそれよりも規模が大きく、より新しい機器が入っていた。Iさんによると管理&メンテナンスできる人材がいないため、有効活用されなかったり、壊れたままで放置されている機器が結構あるとのこと。


こういうのって医療従事者ではなく普通にエンジニアが要請されるところだと思うけれども、そういう人が援助やらなにやらで派遣されたという話は聞かない。メンテナンスには、普通に医療器具メーカーが現地に入っていないと無理。でも、顧客となる医療機関が少ないから現地事務所みたいなものがモザンビークにできることは後50年先もないだろう。


ベイラのランドマークとも言うべき存在。なんといっても建物がでかい。


中に入って写真撮影をしていたら怒られた。おそらく空港と同じように軍事的に何かしら意味があるのだとう思うけど真相は不明。駅舎の中の広場は(モザンビークにしては)こぎれいなところなので残念。


なお、列車は月曜を除く曜日は西の方へ運行しているらしい。


ベイラ駅の隣にある港へ。普段は入るのにうるさく言われるらしいけれども、そんなことはなく、すんなりと入れた。港にはリベリア国旗を掲げた船が入港していた。


他にも2隻の船が停泊していた。こういう風景を見ると、この街がBeira(ポルトガル語で湾)と言われる理由が分かる気がした。

読書

Iさん宅に戻り、それぞれダラダラする。そのまま出歩き続けるには暑いので。風のあるベランダに移り、本棚にあった「新書アフリカ史」という本を読んで過ごす。この本に関する感想は別エントリで。
LINK


浜辺

夕方になり涼しくなったので、再び外へ。浜辺に行くと数組のモザンビーク人のカップルがいちゃついていた。ほっておけばそのまま、性交に移りそうな雰囲気。


同期5人揃う

Iさんと同じくベイラ隊員のTさんが旅行先から帰ってきた。20年度4次隊の隊員5人がそろった。徒歩15分ぐらいのところにある高級レストランへ食事しに行く。純粋に5人だけで食事をするのはこれが2回目。1回目はK君が配属先に赴任する際の引越しを手伝ったときなので7ヶ月ぶり。もしかしたら、この先こういう機会はないかもしれないので写真をとってNTC(二本松訓練所)のポルトガル語の先生にメールを送った。


女性器切除&割礼

夜就寝してもおかしくない時間にIさんとTさんが上記の話題について話し合ってた。モザンビークの田舎のほうではまだそういう風習が残っているらしい。割礼については年頃の中学生ぐらいの男子は一回教室みたいなところに集まってそういう話をされるらしい。実際、割礼を行った後は結構イタイらしく、股を保護するためカプラナという東アフリカでよくみられる布を腰からまいて数日過ごすとのこと。


女性器切除という古い風習がまだ残っていることが驚いた。モザンビークは関係ないと思っていただけに。このような風習が残る理由として、女性器を切除すると性交時に激しい痛みが伴うようになるため、浮気を防止できることがあげられる。そんな浮気を防止するために病気や死亡、激痛といったリスクを背負わせるよりも賢い方法なんていくらでもあると思う。




余談として、ベイラ湾に停泊していたリベリア国旗を掲げていた船はリベリアのものではないと思われる。リベリアは便宜置籍国として知られる国。そういう安価な手数料や船舶国籍証書の発行の便宜を図る国のことを便宜置籍国というらしい。登録している船舶、あくまでも書類上の船籍なので、リベリアに訪れたことはもちろんのことアフリカの沿岸を一度も航海していない船は結構多い。