技術補完研修報告書

技術補完研修を終えた後、隊員候補生は5日以内に技術補完研修を作成し青年海外協力協会に送付しなければならない決まりがある。


この作業が相当だるい。


先月までいた会社ではまともに週報や月報を書く習慣がなかったので、内容をまとめるのが一苦労。速達で郵送するために郵便局にいくのも面倒(また、この時期は特に混む)。その中でも一番だるいのは大量の文字を紙に直接書いていく作業。書くのが遅い自分にとっては何気に時間がかかる。


こんなものはチョイチョイチョイと済ませて、語学や専門知識の習得に時間を注げるようにしたい。
一応下記が作成した研修成果の内容。

1.研修目標(ご自身の技術水準、実務経験等と『ボランティア要望調査票』の内容を対比し、自己目標を設定する)
現地の大学の情報学の教員として要請がある。しかし、これまでの実務経験の中では、学生への指導、教材の作成経験はない。不足した経験を補うための基本的な知識、技法を習得する。
また、現地ではPCを使用した授業をすることが予想される。PC環境、ネットワーク環境の整備またはメンテナンスを行う必要があると思われる。こちらについても、それほど経験があるわけではない。ハードウェア・ネットワークの研修では演習を通して、メンテナンスに必要とされる基本的な知識を習得する。



2.研修内容(『技術補完研修指示通知書』の「内容」部分を、そのまま記入する)
コンピュータ技術集合研修(4次隊)
教材作成・教授方法・ハードウェア取扱い・ネットワーク他


3.研修成果(上記2の内容について、研修を通じ習得した技術・知識を具体的かつ十分に記入する)
【教授方法・教材作成】
[インストラクションの原則]
インストラクションにおいて必要なスキル、心構え等を学んだ。また学習の法則、学習原理という概念からインストラクションにおける留意点や指針について学んだ。
[バーバル/ノンバーバルコミュニケーション]
プレゼンにおける言葉および言葉以外で注意すべき事項を学んだ。
[学習目標・テスト・課題分析図・指導方略表の作成]
以下のことについて学んだ。

  • 教材作成で必要とされる学習目標の立て方
  • 各種テスト(前提・事前・事後テスト)の概要および作成手順
  • 学習課題を分析して学習目標から前提条件までに必要な事柄を明確化する技法(課題分析図)
  • 課題分析から指導するための作戦を表(指導方略表)にまとめる方法

簡単なテーマをもとに演習を行い上記の知識の定着を行った。
[演習]
5分間のプレゼンを行い、教わったことが習得できたかどうか受講者同士でフィードバックを行った。また今回学んだ手法を用いて教材作成を行い、模擬授業を行った。


【ハードウェア】
[コンピュータの歴史と基本機能・基本知識]
コンピュータの歴史、五大機能、データの表現方法(2進数、文字コード)について学んだ。
[PCコンポーネント]
PCを構成する各パーツの名称および役割について学んだ。また実機を使用してパーツの解体/組立方法、トラブルシューティングについて理解を深めた。
[OSのインストール]
OSの役割について学んだ。また実機を用いてディスクのフォーマット、パーティション作成、各種OS(MS-DOSWindows)のインストールを行った。
[実習]
3人1グループになってトラブル個所のあるPCを正常な状態に戻す実習を2日間行った。2回の発表を通じてリペア方法や各自の感想について共有を行った。


【ネットワーク】
[イーサネット]
LANで最も使われている技術であるイーサネットについて学んだ。
[TCP/IP]
インターネットで使用されているプロトコルTCP/IPの概要について学んだ。
[Windowsネットワーク]
DHCPサーバーとDNSサーバーの役割について学んだ。また演習ではWindowsサーバーにてDHCPDNSの設定を行い知識の定着を図った。
[ルータの仕組み]
ルーティングおよびルータの仕組みと役割について学んだ。演習では実機の扱いに慣れるようにするため、ルータの設定方法を実機で体験した。
[Windowsドメイン設定]
Windowsにおけるワークグループとドメインの違いについて学んだ。演習ではActiveDirectoryを使用してドメイン環境の構築を行い理解を深めた。
[セキュリティ概要]
ファイアウォールの概要、ウィルス等の概要および対策について学んだ。
[演習]
小規模なネットワーク環境から問題の発見、切分および復旧を行い、トラブルの解決手順を習得した。また指定された条件を満たすネットワーク環境の構築を行った。


4.今後の課題(研修目標を念頭に置き、自身に足りない技術・知識があれば記入)
今回の研修ではすべてのことを日本語で行ってきた。しかし業務使用言語(英語)で指導したりマニュアルを作成する場合のことを想定しておき、専門用語の英語での表現方法等を確認しておく必要がある。
【教授方法】
演習を通して、非単語(「えー」、「まぁー」のようなつなぎ言葉)の多さと声量について指摘があった。課題点を意識しながら練習を重ねていくことが対策だと思われる。プレゼンテーションする機会を逃さぬよう、積極的に経験を積み重ねていく。
【教材作成】
研修中は簡単なテーマでしか課題分析図、指導方略表を作成していない。実際の要請で出てくると思われる学習目標をもとに分析等を行う。
【ハードウェア】
故障PCのリペアについては今回の演習だけなので経験が圧倒的に少ない。知識が抜けないように知りえた手順について再確認等をを行っておく。
【ネットワーク】
ネットワークトラブルへの対処はそれほど経験が多くない。またドメイン環境(ActiveDirectory)についても奥が深いわりに基本的なことしか分かっていない。専門書などを読み、知識の向上につとめる


5.受講の感想・研修内容に関する要望など
【感想】
教授法、教材作成については汎用的に役に立つ講座だった。コンピュータ技術、PCインストラクターに限らず他の職種(特に教員経験が必要とされない職種)の隊員候補生もこの研修を受講すべきではないかと思った。
【要望】

  • ウィルス対策講座を別途設けるべきだと考える。隊員OBの経験談から現地では感染したPCが多いと のことなので。ウィルスに感染したPCへの対処を演習形式で行うなど、踏み込んだ内容のものがほしい
  • 今回はネットワーク講座ではWindowsを扱ったが、Linuxにおける設定方法等について触れて。ほし い。サーバーにLinuxが採用されているケースも多いと思われるので。
  • 報告書の電子データでの提出(メールもしくはWebでのフォームを利用した提出)を認めてほしい。 書類作成(編集および日報の印刷作業)や郵送の手間などを軽減して語学や専門知識の習得に時間を注げるようにしたい。